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飯田電子設計株式会社福島工場

メンブレンスイッチ基本構造membrane switch

指で軽く触れるだけの薄いシートでキーボードスイッチ

メンブレンとは、「膜」という意味で、メンブレンスイッチ(シートスイッチ、キーボードスイッチ)は、薄いシート状のスイッチを意味します。PETフィルムに接点・回路パターンを印刷しスペーサ材などを貼り合わせたスイッチ機能を構成しています。工業用、家庭用の電気製品の安価な薄型スイッチとして使用されています。安価で量産できることからパソコンのキーボード接点に使われて有名です。
また(スマートフォン以前の)携帯電話・PHSなどに使われていたこともあり、プリント基板に金属ドーム接点で作られています。 キートップにもカラフル印刷されたシートを貼り付けて、総厚が1~2mm弱の薄いシート状のスイッチ製品をメンブレンスイッチと考えてください。
第2世代のスイッチとも言われます。

メンブレンスイッチ

原理は、機械的な動作はなく、キー(表面)部を押下することで、その下部にある導体回路が電気的に接することでスイッチとして動作します。通常導体部はスペーサ材で離れた状態を維持しています。
長所としては、印刷された表面シートや電極(パターン)シートを貼り付けたものなので大量生産すれば安価に製造できる。また、泥や液体等の汚れにも強い。 短所は、押下した際のフィードバックが非常に小さく感じにくく、キーを連打するような使用用途には向きません。
表面シートをクリックエンボスや金属ドームタイプにすることで、キーを押下した感触を得ることが出来る様になります。

軽量化、薄型化、耐久性、高信頼性を実現し身の回りのいろいろな製品にメンブレンスイッチは使用され、フィルムシートで覆われているため工業機器では、水・油や粉塵などを嫌う製品にも利用されています。パソコンで使用しているキーボードも中身はメンブレンスイッチの構造で、大量生産することで比較的安価に作られています。最近は、液晶パネルと組み合わせてプログラムマブルなタッチパネルに劣っている感もありますが、簡単なスイッチをつくるとなると、メンブレンスイッチでしょうか。

メンブレンスイッチは、特殊PETフィルムに導電性ペースト(銀とカーボン)の回路パターンをスクリーン印刷し、接点間にスペーサーなどの部材を挟むことでON/OFFスイッチ機能を持たせたもので特徴として、
 ・厚みが薄く、LEDを内蔵しても2mm弱の厚み。
 ・カスタムメイドでデザインの自由度があり、キーの配置も自在にできます。
 ・スイッチ部は筐体(ケース)に貼り付けるので、基板への部品位置を意識せずスイッチの配置ができます。ただし、テールの出し位置付近には、パターンが集中するため接点や抜穴(LED)を開けることは出来ません。
 ・裏面に粘着材が付いているのでシールのように貼り付けます。
 ・押下時のクリック感は表面シートのエンボスやメタルドームを組み込むことで押したという感触も得られますが、金属ドームなしで表面フラットの場合は、ほとんど感じられません。
 ・表面デザインもパターンも印刷による生産するので、LOT数が多いほど、コストパフォーマンスに貢献できますが、刷版や抜型など初期イニシャルが必要となるため、小ロット100台以下で終了する製品はメカキーに比べて単価が割高となってしまうことがあります。
 ・筐体に穴を開け取り付けるスイッチとは違い全体が一体となったシートなので簡易的な防滴性も期待できます。最近は防水性の高い粘着材料も開発され、防水メンブレンスイッチも作られるようになりました。
 ・スイッチ部は同じでも、表面シートの配色やデザインを変えることで、見た目を別の製品イメージにすることもできてしまう。など。

この図は、メンブレンスイッチの一般的構成になります。
メンブレンスイッチメンブレンスイッチ
メンブレンスイッチ
①表面シート(パネルシート)・・・目にするところでエンボス有り無し、配色デザインで製品イメージが変わります。
②表面粘着材・・・表面シートを貼り付ける粘着材。
③上部接点シート・・・PET材に導電性の銀ペーストを印刷した接点。
④スペーサー・・・接点同士に隙間(絶縁)を作る材料です。
⑤下部接点シート・・・PET材に導電性の銀ペーストを印刷し回路を構成します。
⑥裏面粘着材・・・直接筐体(ケース)に貼り付け出来るように粘着材を貼り付けています。
この例では、⑧の仕上げ外形抜型で仮想外形部分を切り落とし、最後に①表面シートと貼り合わされます。

プリント基板のコネクターに挿入するケーブル部を⑦テールと呼び、あとから出てくるキーのクリック感(操作感)を得るために内蔵するステンレス製の皿バネを金属ドーム(メタルドーム・ペコ板)と呼んでいます。
片面粘着材に金属ドームを貼り付け、それをプリント基板に貼り付けてドームスイッチとして用いることもあります。
 ②④を良く見ると、キーが団子状につながりテールの出し口穴にもつながっているのがわかります。これは、エアベントと呼ばれ、キーを押下したときに、空気の移動を目的に設けているものです。気圧が低くなる登山で(完全密封)お菓子の袋が気圧変化によりパンパンに膨らんでしまう映像を見た方もおられると思います。スイッチがパンパンに膨らんでしまったら、スイッチが押せなくなりますし、この逆パターンでは、スイッチが潰れて、勝手にONしてしまうこともあります。裏面を見るといくつか穴が開いており、筐体(ケース)でも同じ位置で穴が開いてエアが行き来できることが理想です。
 このような影響を防ぐことでも必要なものですが、防水機能を必要とする製品は、スイッチON/OFF操作で、スポイトが液体を吸い上げるように内部に入ってしまうので注意が必要です。

・導電インクについて
スイッチの接点回路を印刷する導電インク
導電回路を構成するために必要になります。レジストやカーボンは、予算に合わせて省くこともできます。

種 別 名 称 用 途 特   徴
導電インク 銀ペースト パターン 抵抗値が低いが、酸化しやすく硬度的にも弱い。茶色に変色する。
カーボン 銀保護用 硬度的に強く、銀の保護に使われる。空気に露出する箇所をオーバーラップする。
MIX パターン 銀にカーボンを混ぜ合わせ、お互いの良いところを併せ持つ。
絶縁インク レジスト 保護・絶縁 絶縁体として、ジャンパーなど構成するときに用いられたり、銀パターンの湿気保護からもラミネートされる。

・表面エンボスおよび配色について
表面シート以外にも化粧板、文字シートなどとよばれています。
配色・図柄イメージを図面等にて指定して頂きます。
エンボスの形状は、ドーム形状(丸)が基本です。三角、四角型、楕円、長円形状などの形状やライン、点字のエンボスも可能ですが、キーとしての操作性はよくありません。
エンボスでクリック感を得るならドーム形状でサイズはφ8~φ12、高さは0.35mm前後となります。
0.1mmほどのPET材を型押しし形状付けしたものなので金属ドームほどのクリック感は得られませんが、凸になることで明確に指先に伝わります。
高温環境下では反発力も弱く、熱により形状がダレてしまうためクリック感は得られません。
熱の変化が起きると元に戻りません。

表面シート材として使われる材質

材 質 特   徴
PET(ポリエステル材) もっとも多く使用されている表面材。PETと略称される。ペットボトルの名称はこれに由来する。
耐久性・耐薬品性にすぐれている。
エンボスの加工がしやすい。
ハードコート処理(透明・マット・シボ、艶あり)のメーカ種類も豊富に用意されている。
PC(ポリカーボネート材) 透明性・耐衝撃性・耐熱性・難燃性などにおいて、高い物性を示す。屋外の看板などによく使われている材料で、高エンボス加工出来るが、耐久性はポリエステルと比べるて劣るためキーエンボスには向かない。 引張強度を超える力をかけると、白化して透明度が著しく低下する。
屈曲に弱い。(割れ切れが発生する)
 ウレタン材 ゴムのような素材なので高エンボス加工が出来る。
経年で黄ばみが発生してくる。

配色・色指定は、
DICなどの色見本帳で指定してください。色サンプルをお貸し願えれば現物色で合わせることも可能です。紙に印刷したものではなく、PET材を透過した色になります。
白などの淡い色は、下にくる色、パターン(カーボン・銀)が透けてしまうことがあります。
色数は、目に見える配色+拡散(LED)+表UV(透明窓の場合)で、印刷面を保護する目的と下の色が透けにくくするために表面配色にはない見えない色が最後にオサエ印刷されています。

構成も製造業者によりいろいろな呼び方があるようですが、基本構造は同じです。
LEDを内蔵するタイプは、チップ高さを調整するため材料厚でならLEDスペーサ材を挟み込み、LEDスペーサ材をはさまない場合はに表面エンボスで高さ調整をすることになります。
貼り合わされる材料、構造によっても変わります。
電極間は0.1mm程度の隙間であるため、電極間の絶縁距離を得るため曲面にメンブレンスィッチを貼り付けることは出来ません。フラットで硬い面に貼り付け電極間に変形が起きないように使用してください。
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メンブレンスイッチは、シルクスクリーン印刷の刷版や材料を形状抜きする抜型(トムソン型)、(関東ではビク型と呼ぶことが多い)を作ることになりますが、基本的に印刷と粘着材の貼り合わせで簡単に作れる構造です。大量に作れば安価に作ることが可能になります。

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